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KenConsultingの本多謙が政治/経済記事を独自の視点で評論します

米、中国に貿易戦争布告

時代は“冷戦2”

日経新聞2018年5月10日のコラムにマーティン・ウルフ氏(FINANCIAL TIMES チーフ・エコノミクス・コメンテーター)の「米、中国に貿易戦争布告  多国間協議で国益追及を」と題する文が載っている。 これは5月3日からの米中の通商協議に先立ち米国が提示した「枠組みの草案」に対するコメントだが、ウルフ氏はこの草案を「米国が築き上げてきた貿易制度を支える非差別主義や多国間協調主義、市場ルールの順守といった原則に反する。米国は自分たちを恥じるべきだ。」と口を極めてトランプを罵っている。氏は更に「中国は、いくつかの点でまだ途上国ではあるものの、超大国としての自覚を持つべきだ。」と中国を擁護し、「それが自分勝手ないじめっ子となった指導者のたどる運命である。」とトランプを脅している。

歴史を振り返ると、ルーズベルトら米国のリベラリスト達は中国に共産主義政権を建てる為に中国大陸に進出していた日本と戦争して勝ち、日本で社会主義革命を起こした。WW2後は疲弊した日本を含む世界各国を経済支援して国連やWTOなどの多国間協議の枠組みを通じて世界の産業のルールを支配した。日本はこの環境に順応してGDP世界第2位までになった。米国は中国に対して、特に鄧小平時代から膨大な投資を行い、中国に自国の工業生産を代替させ消費地として育ててきた。ウルフ氏の様な米国のエスタブリッシュメントはこの成果を継続し発展させたいだろうし、そのシステムを破壊しようとするトランプには我慢がならないだろう。

だが、彼の怒りは妥当だろうか?鄧小平は韜光養晦(とうこうようかい)を掲げ、外国には中国が先進国に対し従順な弟であることをひたすらアピールしたが国内向けには将来世界の覇権獲得を握ろうとしてきた。そしてリベラリスト達が構築した世界経済の枠組みを利用して委員会の委員や先進国の政治家や先端技術の企業を買収し、先進国への移民を増やしてきた。ビジネススクールでは「選択と集中」を教え、それが自国の産業の一部を中国など発展途上国へ移植する正当な理由となった。

だが、中国はGDP世界第2位になるに従い、米国に替わる覇権を軍事的、経済的に確立しようとし、他方米国の一般庶民は職を失って窮乏し、その影響は無視できないほどになった。ウルフ氏のような理想家は中国を富ませれば中国には中間層と民主主義が育ち、彼らが構築した世界経済の枠組みを遵守して良きパートナーになり、米国に利益をもたらすはずだったが、中国は米国とあらゆる面で対抗し、世界に貿易と軍事で覇権を得ようとした。

神の正義が存在しない中国人の頭脳には欺瞞と韜晦と「力による正義」しかない。三国志を読めばそれが良くわかる。ウルフ氏は「多国間協議で国益追及を」と言っているが、それが、中国が多国間協議の場で巧妙に主導権を取って自国の影響力を拡大した方法を知らない筈がない。ウルフ氏は中国の利益を代弁しているのだろうかと疑わしくなる。そして日経新聞はどの様な意図でウルフ氏のこの論文を掲載したのだろうかと疑わしくなる。

中国人がチベット、旧満州、モンゴル、ウィグルなどで行っている民族浄化の残虐さを知れば、中国の覇権の下に入った民族がどの様な目にあうかは容易に分かる。中国のSILENT INVASIONが完了に近づいている豪州は今後どの様な運命と辿るだろうか?

トランプは中国の覇権を挫こうとしているが国内のウルフ氏のようなエスタブリッシュメントがトランプを失脚させようと懸命だ。だが、彼らは依然として中国に勝手な幻想と理想を重ねている。日本は中国と2千年の付き合いがあり、中国人の実像を知っている。日本は米国人の中国への幻想に付き合わざるを得なかったし、今後は米国の中国をリセットするプログラムに付き合わざるを得ない。

世界はこれからナショナリズムに向かって大きく変化するだろう。日本は「中国5000年の歴史」の幻想を捨て、「選択と集中」で海外に出て行った主要産業を自国に回帰させ、日本を22世紀まで反映せしめる産業群を国内で育成させ、それをもって外国に対する交渉主導権を取らなければなるまい。

(資料; https://www.nikkei.com/article/DGKKZO30257860Z00C18A5TCR000/)
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