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KenConsultingの本多謙が政治/経済記事を独自の視点で評論します

NHKスペシャル「混迷のアメリカ」を評す

2020年6月13日、NHK総合テレビは午後9時からNHKスペシャル番組を放送した。題名は「混迷のアメリカ~コロナ時代 世界で何が起きているのか~」だ。この番組の構成は①黒人男性G.Floydが白人の警察官に押さえつけられて死亡した事件をきっかけに、②大規模な抗議行動が全米に広がり更に世界に拡大している様子を伝え、③それに対するトランプ大統領の力で抑え込む対応が政権内に亀裂を生み、④彼が対抗馬のバイデン氏より劣勢であることを示し、⑤この争乱の歴史的な意味と今後の展開を問いかけた、となっている。

視聴者はこの番組を見終わった後、今後世界はどうなるのか不安になったはずだ。この不安を解消するにはこの番組でいったい何が伝えられなかったかを明らかにする必要がある。なぜならそこにこそ番組制作者の意図があるからだ。

先ず、事件の発端となったG.Floydとはどんな男か?番組では彼は偽札を使おうとしたとしか言っていない。実は彼は押込み強盗、麻薬などで逮捕状が何枚も出ている札付きの犯罪者なのだ。今回は偽札を使い拳銃を振り回しているという通報で駆け付けた警官に拘束されたのだが、実は刑務所を出所した直ぐ後だったのだ。警官はこの大男が逮捕状がいくつもある危険な犯罪者であることが分かったので彼の首根っこを地面に押さえ付けて拘束したという次第だ。相手は銃を持っていたのだから、警官たちは下手をすれば拳銃を奪取されて犯人に打ち殺されるかも知れなかったのだ。事実、アメリカで犯人に打ち殺される警官の悲劇は多い。彼らは命がけなのだ。だから警官がG.Floydを押さえつけたのは納得できる。米国市民はそうした状況を理解した。だからこの事件に関与し逮捕された警官の保釈金として1億円以上の支援金が集まったのだ。NHKはこの背景を伝えなかった。却って、米国の警官は乱暴だというイメージを広める結果となった。

G.Floydは死んで英雄扱いをされ、黒人差別反対デモがアッという間に全米に広まった。彼の親族はデモを控える様主張したがそれは無視され、各地で暴動、略奪、放火が起り警備に当った警官が撃たれて死んだ。そもそもG.Floydは頸部の圧迫が死因ではないという診断がある。彼は麻薬中毒患者であり、新型コロナウイルスの患者でもあった。だがこの殺された黒人の抗議のデモはあっという間に全米に広まった。実にタイミングが良かった。誰かが準備していたみたいだった。番組では、このデモは黒人が主で白人の賛同も多く平和なデモだったが警官たちがそれを暴力で排除したと報じたが、それは事実の一部でしかない。黒人たちのデモは主にBlack lives matter(黒人の命が大事)という数年間活動を続けてきた団体によるものだったが、ANTIFAという国際極左暴力テロ組織も参加していた。実はANTIFAはBlack lives matterを乗っ取ったのだ。ANTIFAは当然銃などを使った。デモ隊の進路の近くに煉瓦、瓶、火力促進剤などを誰かが用意しておいてANITIFAらがそれを使って商店に押入って商品を盗み、破壊し、放火したという報せもある。どこかの団体が暗号を使って交信しデモ隊の暴力行為を計画していたという記録もある。実はテロの現場のビデオで、若いアジア系の男たちが中国語で「走,快走,走走走 (行くぞ!早く!行くぞ行くぞ!)」と言って居るのや、中国大使館員らしい者の群衆扇動についての会話がTwitterに残っている。この一連の騒動は中国共産党がシナリオを書き下部組織を使って実行したと見る者もいる。実はANTIFAは中国共産党の下部組織なのだ。ANTIFAはデモを起こし、人垣を作ってそれを楯にし、自分達の思うように群衆を誘導せよと教えられている。であればこのG.Floydの死に始まった騒動が一気に世界中に広まった理由も理解できる。
米国争乱


放送ではデモ隊が警察権力の制限を訴えていると伝えたが、警察力が弱体化すればANTIFAの活動即ち中国の工作はやり易くなる。事実、ANTIFAらはワシントン州シアトル市内の一区画を占拠して無政府状態にした。民主党の市長がそれを容認している。シアトルの警察署長は「この地域でレイプ、窃盗、全ての種類の暴力行為が起きているが、私たちは中に入ることができない」と嘆いた。NHKはこんな重要な事実も放送しなかった。

放送ではトランプの支持率がバイデンのよりずっと下のまま推移しているのを示し、その理由としてトランプの暴力的な対応が原因だと言った。だが、バイデンが中国の利権にどっぷり漬かり、中国から支援を受けていることには触れていない。放送のなかでF.フクヤマが、今回の黒人解放運動は歴史の転換点になるかも、とコメントしている。放送の文脈からすれば11月の選挙にはバイデンに投票しなければということになる。これはバイデンへの誘導ではないのか?

また、米国の警官が暴力でデモ隊を蹴散らす様子を放送した。これで警察=悪という印象が定着するだろう。しかし、放送は中国が同時期に香港の若者達や子供達に男女を問わず行っている何倍も酷い暴力や拘束などには触れていない。

これらNHKが放送で取り上げなかった事実はインターネットでちょっと調べればすぐ分かることだ。だが「NHKスペシャル」はトランプが米国を混乱させ分裂させている印象を与え、視聴者に不安を残しただけだった。しかもこの放送の翌日には渋谷で黒人差別反対デモがあるのだ。

筆者は、この一連の騒動の裏には中国共産党の戦略が隠されていると見る。その戦略とはどういうものか?中国共産党の立場に立つと多くの事件が整然と説明できる。その仮説をお話ししたい。

中国共産党の最終目標は中国共産党が世界の覇権を握ることだ。その為に中国共産党は毛沢東が1949年に建国宣言をして以来周辺国を併呑し、その地の住民を奴隷にして来た。満州、モンゴル、チベット、ウイグルなどだ。インドやベトナムにも侵攻し、南沙諸島を領土にして来た。国際連合やWHOなどの国際機関を恣意的に動かせる体制を作ってきた。欧州諸国やアジア・アフリカの弱小国も、そして日本もその対象になっている。

問題は米国だ。米国主導の米中貿易戦争で中国が生き残るには、中国は米国を攻略しなければならない。これができれば中国の世界征服は完成し、世界中の人々の生殺与奪を今の中国人民と同様に欲しいままにできる。そこで中国共産党は民主党政権時代に米国の政治家を取り込み、中国に有利な様に働かせて来た。これは一応成功したが、トランプが大統領になり反中国の政策をとったので2020年11月の大統領選挙でトランプを落選させる為の戦略を実施している。

この戦略の基本は、米国との交渉を出来るだけ長引かせ、超限戦を戦うことだ。超限戦は戦闘以外の手段、即ち外交、テロ、マスコミ、法律、企業活動などを通して戦う戦争だ。大きな目標は米国の攻略と香港の自国領化だ。中国は先ず武漢に疫学研究所を作り、そこでウイルス兵器を作り、それを2020年の春節前に湖北省で流行らせた。武漢は交通の要衝であり、春節には中国人が国内国外を大量に移動するのでウイルス兵器の拡散にはベスト・タイミングだからだ。中国共産党にとって10億の農村戸籍の人民は奴隷だからウイルスに感染して死んでも構わないのだ。中国はウイルス情報を秘匿し公表を遅らせ、ウイルスによる被害が世界に拡大する様にした。WHOは買収してあり、ウイルス拡散に協力させた。パンデミック発生前に世界の華人ネットワークを使ってマスクや防護服などの防疫用品を世界中から買い集め、世界がパンデミックに対応でき難い様にし、パンデミック発生後はそれらを高値で売って儲けた。欧州と米国の要人に感染した中国人を接触させ、欧米の政治の指導力を麻痺させようとした。習近平の国賓としての日本訪問もその一部だ。

武漢ウイルスは米国にも蔓延し米国民は長期間家に閉じ込められ、多くが死に、職を失い、不平不満が溜まった。それを一気に爆発させるのに最適なタイミングでG.Floydの死亡を利用した。彼を英雄的犠牲者に祭り上げ、黒人の人権問題という大義名分を使ってBlack life mattersらに争乱を起こさせた。これには中国共産党の下部組織にしておいたANTIFAも利用した。デモではBlack life mattersの黒人や白人たちを使い、それを人垣にしてANTIFAに暴力デモとテロをやらせ、武器と活動資金を与え、破壊活動を指揮した。指揮には中国に留学して米国に帰り地下工作員なった黒人や中国大使館系の工作員を使った。

中国は世界のマスコミを使って①小規模な争乱でも過大に放送させて全米に重大な争乱が起っていると思わせ、ナイーブな白人に贖罪意識を持たせ、社会の変革が不可避だと思う様に仕向け、②暴力で国民を圧迫する低支持率のトランプ対穏健で高支持率なバイデンという図式を視聴者に印象付け、③トランプでは米国を救えず、バイデンが次期大統領として相応しいイメージを植付け、④香港の警官が市民に行っている暴力から目を逸らさせようとしている。

さて、NHKは米国の混迷の裏側を知らないでこの番組を作ったのでしょうか?皆さまはどうお考えになるでしょうか?



参考;
NHKスペシャル 混迷するアメリカ
https://www.youtube.com/watch?v=HGb2yIXkym4
https://www.youtube.com/watch?v=edHDE-KDDiU
https://www.youtube.com/watch?v=mbcIoVei0l4
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