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KenConsultingの本多謙が政治/経済記事を独自の視点で評論します

米民主、台頭する新世代

世界で最も成功した社会主義国「日本」を視よ!

「米民主、台頭する新世代」と題するコラムが日経新聞2018年8月5日のFINANCIAL TIMES欄で紹介されている。著者はグローバル・ビジネス・コラムニスト ラナ・フォルーハー氏だ。副題が「『労働者』重視、経済界は注目を」で、コラム子はこれを民主党の原点回帰と呼び、それを求めている。これはクリントン+オバマ時代の民主党の主張とは確かに違う。この変化の例として「民主社会主義者」と呼ばれるオカシオコルテス氏(28歳)が6月の民主党予備選挙でペロシ院内総務を継ぐ立場にいる対抗馬を破ったことを挙げている。コルテス氏は「政治に今ほどお金が流れ込んでいることが、私たちの社会が崩壊するかどうかの危機をまねいている」と考えている。彼女は「私たちの問題は右派か左派ではない。最富裕層と貧困層の問題だ」、「民主党は、働く人々のために大望を掲げることもなく、力を尽くして戦ってもこなかった」、「この結果、その怒りが大統領選で共和党(トランプ氏)に投票する流れをつくってしまった」と述べている。

この様な主張の背景は「ゴールドマンの資本主義」と題するゴールドマン・サックスの最高経営責任者ロイド・ブランクファイン氏の退任に関する記事(日経新聞2018年8月3日のDeep Insight欄、日経新聞コメンテーターの梶原誠氏による)を読むと良くわかる。梶原氏はブランクファイン氏の「12年間はこう総括できる。金融が幅をきかせるようになった米国型の資本主義が、社会の反撃を受けて持続不能になった時代だと。」

コラム子はこうした民主社会主義者に対する不安を企業側が抱くだろうことを見越し、彼らは安全だと述べている。即ち「彼らは、米国民を消費者として見るのではなく一般市民として気に掛け、全国民に医療保険と教育と生活可能な所得を保証する国を目指す民主党に立ち戻ることを求めている。これは左派にさえ過激に思えるが、それは米国だからだ。欧州ならオカシオコルテス氏は、多くの人が市民の基本的権利と考えることを要求する、どこにでもいる社会民主主義者にすぎない。」と述べている。彼女は彼らの主張が米国の医療保険や教育システムの質を高め、米国の国力増進に有効だとも述べている。

むしろ筆者はこのコラム子に、ゴルバチョフが「世界で最も成功した社会主義国」と評した日本を米国の経済界は見本にすべきだ、と米国の経済界に主張することを薦めたい。国民皆保険も高度な教育システムも、平等で安全な社会も、日本がとっくに実現しているものだからだ。

それにしても「米国で今、創出される雇用の約65%は高卒より上の学位が必要だ。だが、米国の学生でそれだけの資格を得る者は半分しかいない。」というのは驚きだ。知的で豊かな米国市民の影は既に無い。これではトランプが移民を制限し海外に流出した工場を本国に戻してもまともな製造ができる者を育てるのに何年もかかるではないか。だが、米国の知的資産を狡猾に利用して米国を凌駕しようとする中国を今の内に潰しておかなければ米国の覇権が危ないとする考えはトランプだけでなく米国議会全体のものになっている。

思うに、米国の社会システムは優れた労働力を奴隷で賄うという古代ローマ帝国のものを現代風に焼き直したものだ。頭脳優秀な者を世界中からの移民でまかなえば良いという考え方は、かって筆者が勤務した米国AT&Tに並ぶNortel Networks社でも見られた。Bell Northern Researchやマーケティング部門では中国や中東やインド等からの頭脳明晰な移民が活躍していた。この古代ギリシャ・ローマ時代以来のグローバリズムを否定してナショナリズムに基づく国家の繁栄モデルに不安を覚えるなら、その答えは既に日本にある。

資料;https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180802&ng=DGKKZO33667380R00C18A8TCR000
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180803&ng=DGKKZO33726800S8A800C1TCR000

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