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KenConsultingの本多謙が政治/経済記事を独自の視点で評論します

「とんでもない時代が訪れた。」は愚

日経新聞のOpinion欄にコメンテータの菅野幹雄氏が「『脱・西側』のトランプ動学」という文を載せている(2018.5.23)。

菅野氏は「とんでもない時代が訪れた。」とコラムを始めている。彼は続いて「大国の双璧をなす米中が」つばぜりあいを始めたと嘆き、「異端のリーダーによる信念、計算、そして気まぐれが、関係国の政府と民衆、国際社会を揺さぶり、金融市場を荒らし、流血と犠牲を伴う抗議行動を起こす。」と続け、「派手なディールが尻すぼみとなり、トランプ氏の高揚が一過性に終わる可能性ももちろんある。だが『歴史的な成果』で政権維持の追い風を得れば、本当に世界を根こそぎ変えてしまうかもしれない。このギャンブルは侮れない。」と結んでいる。

菅野氏の論調はCNNやNYタイムズの様な米国主流派のマスコミに共通したものであり、その意味では業界の主流派なのだが、この論調の前提になっている認識には問題がある。

先ず、トランプ氏が「気まぐれ」と言っているが、これは当たらない。彼は選挙前の公約を忠実に実行しているだけなのだ。その意味でトランプは誠実で実行力に富む。米国は好景気で、失業率は2000年以来の4.1%に下がり、なお且つトランプのカウボーイ的なやり方(動学)はガンマンが悪漢をやっつけるのにも似て大衆受けしている。

次に、トランプはTwitterで国民を誤誘導していると非難しているが、国民を嘘で誘導して来たのはマスコミだという事実がある。ベトナムやイラクへの攻撃時もマスコミが国民の正義感に訴え攻撃を正当化した。大統領選挙時、トランプへの人格攻撃が多くなされたがその多くが捏造であることが明らかになっている。マスコミはトランプの何に怒っているのか?それはTwitterなどで大統領自身が国民に直接発信することでマスコ見の既得権益構造を破壊していることに怒っているのだ。事実、日経新聞のDeep Insight程度の情報なら、手間暇を問わなければインターネットから得られる。

第3に、中国を世界の双璧をなす大国だとしていることだ。中国のGDPは世界第2位と言われているが、中国の統計は人為的で信用できないことは誰でも知っている。世界から30年は遅れているとして鄧小平が経済を開放し、米国から技術と資金を与えられて製造工業に突出して成長した中国の製造業の利益率がせいぜい2%であり米国資本の掌の上で踊っているだけのことは経済新聞のコメンテータなら知らない筈がない。

第4に、トランプが「世界を根こそぎ変えてしまう」ことを懸念している。第2次世界大戦以降、米国は世界の国々の警察官となり、世界の産業の仕組みを作り、運用し、米国市場を開放して友好国の産業を成長させて来た。その恩恵を被ったのは大戦で疲弊した欧州各国、日本などの世界の国々であり、これらの国々は世界規模の貿易網という仕組みの中で繁栄してきた。菅野氏が言う「世界」はそうした世界であり、彼はそうした世界が「根こそぎ変え」られてしまうことを恐れている。だが、そうした世界はいつまでも続かない。中国も米国が繁栄させた国だが、中国だけは米国に替わって世界に覇権を実現しようとしている。要するに中国は世界をチベット化しようとしている。日本も当然チベットの様になってしまう。これは「そうした世界」の終わりを意味する。

トランプの大衆極政策はギャンブルではない。周到に練り上げられたシナリオ通り実行されていると見るべきだろう。菅野氏らは中国共産党政府が周辺民族をどの様に虐殺しヒトラーも真っ青の民族浄化をしてきたことを学習し肝に銘じるべきなのだ。

資料;https://r.nikkei.com/article/DGXMZO30809520S8A520C1TCR000 

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