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KenConsultingの本多謙が政治/経済記事を独自の視点で評論します

アジアの成長と日本(2018/4/11)

副題;かっての日中韓のゴールデントライアングル論は中韓の謀略だった

日経新聞2018年4月11日朝刊のコラム「経済教室」で、「アジアの成長と日本」と題して“「工場」から「技術革新」の拠点に”という論説が載っている。

この論説を読むと何となく気持ちが悪くなる。何故かを考えてみた。

論説子は主張のポイントとして(1)日中韓の技術革新は質的に欧米に及ばず、(2)日本なお自国主義、米中は知的連携強化、(3)アジア新興国との知的連携で存在感示せ、の3点を挙げている。どんな論説にも無言の前提条件がある。無言なのは、前提条件まで記述するとコラムの字数制限を超えてしまうからでもあろう。だから、コラムを読むときはその前提条件を想定し、それを基に個々の記述の意味を理解しようとすべきだ。

3つの論点から明らかになるのは、世界は欧米対日本、韓国、中国の運命共同体の対抗で成り立っているということである。この前提条件はおかしい。例えば中国は「中国国内でしか使わないから」という条件で日本から新幹線の技術情報を引き出し、自国で高速鉄道網を建設し、それを「これは中国が独自に開発した技術だ」と言って諸外国に販売しようとしインドネシアでは日本に競り勝った。中国はISO規格を独自に制定しそれをISOとして世界に広めようとしている。対する日本はISOの委員会でまことに従順でナイーブな限りだ。韓国も、例えば新日鉄の技術指導を受けたポスコが特殊鋼の技術を盗み出し、新日鉄を同等の製品をより安価に販売し新日鉄に損害を与えた。だが、両国とも多くの技術が日本に及ばないことを知っている。だから彼らは日本から技術を何とか導入しようとして必死なのだ。

技術開発は国家の覇権を決定する決定的に重要な要素であり、その競争は一種の戦争なのだ。こうした環境で論説子の言う「日中韓を中心とした国際共同研究支援」をすればどうなるか明白だ。欧米を凌駕する技術を持っている日本は技術を中韓に吸い取られ、国益を大きく搊なうだろう。

このコラムを読んで思い出すのは「路地裏の経済学」で有吊だった竹内宏氏(1930*2016)が、鄧小平が生きていた数十年前に日本経済新聞の確か「経済教室」に寄稿したコラムだ。彼はそこで、今後の日本経済は米国に追従するのではなく、日中韓の三か国で連携して進めるべきだと説き、その後日本は中韓に莫大な技術援助、資本援助を行い、両国のGDPは高い成長を示した。逆に日本は失われた20年を迎え若者は失業氷河期に苦しんだのだった。

このスタンフォード大博士の論説の前提条件はかって竹内氏が主張したものと同じ匂いがする。犯罪事件が起こった時、探偵はその犯罪によって誰が一番得をしたかを調べ、犯人の目ぼしをつける。犯人の匂いを嗅ぐのだ。竹内氏のあの主張は経済学者らしくない可成り政治的なものだったと思う。その背景は当時の国内の政治状況だったかも知れないし、当時のリベラリズムの主流の主張に添ったものだったかも知れない。しかし鄧小平以来の中国は米国が用意した国際経済と政治の枠組みを狡猾に利用して経済成長を続け、先進国を浸潤し続け、習近平に至っては鄧の韜光養晦(とうこうようかい)をかなぐり捨てて露骨に世界制覇を進めだした。米国の国内と国際の政治状況が当時とは様変わりし、リベラリズムの失敗が顕著になって来た今、このスタンフォード大博士の論説は日本の国益を損なうものになっているとは言えないか?

おりしもトランプ大統領はダメダメだった民主党オバマ政権に替わって前政権のリベラル政策の多くを否定し、強権をもって北朝鮮と中国を従わせ、米国が中国を国際社会にデビューさせた当初の路線に戻そうとしている。論説子の様な日本のエスタブリッシュメントは世界の政治権力の風景が変わっていることを理解せねばなるまい。

(資料;https://r.nikkei.com/article/DGXKZO29208120Q8A410C1KE8000)

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デジタルサミット2018に寄せて

第5世代コンピュータの失敗を繰り返すな

日本経済新聞社が6月4,5日 に「世界デジタルサミット 2018」を開催し、そのライブ中継を見た。テーマは「シンギュラリティへの挑戦」。(詳細は http://www.digital-summit.jp/2018/streaming.htm を参照。その動画アーカイブは後日公開の予定)その感想を以下に述べる。

「シンギュラリティ(技術的特異点)」とは人工知能(AI)が今後も性能向上を続けた結果コンピューターの能力が人間の頭脳を超える時点のことで、2045年にもそれが訪れるとの予測がある。この予測者が2045年にどういう事態になることを想定したのか知らないが、筆者はAIが流行語(buzz word)になる以前の2010年ころからハンガリーのAI(機械学習)ソフトのビジネスを日本で立ち上げた実績から言うと、シンギュラリティ―は部分的に発生するのであって、2045年に社会全体がSF映画が描くような悲惨な未来になる訳ではない。

何故なら、AIエンジンが効果的な情報を利用者に提示するにはそれに相応しい情報をAIエンジンに提供し続けなければならない。どの様な情報を与えるかはAIエンジンをどの様な目的に使うかを先ず人間の側が定義し、それに必要なデータを収集しAIエンジンに入力する流れを作らなければならない。AIエンジンがどの様に成長するかはどの様なデータ(餌)を与えるかに依る。逆に言えば、良質なデータが無ければAIエンジンは使い物にならない。筆者が立ち上げたAIアプリケーションの1つは誰にどのレストランを推奨したらベストかを特定するかであって、これによってレストランの訪問率が20%ほど上がった。AIエンジンはこの様に個別なニーズに応える形で普及し、それが有機的に連携して広まってゆくだろう。

「シンギュラリティへの朝鮮」は「AIが近い将来人間の仕事を奪って大変なことになるから今のうちに対策を」という、一般聴衆の注意を惹くためのコピーとして良くできた表現だとは思うが、問題は、日経に限らずマスコミが、AIの仕組みを情緒的に訴える負の側面だ。文科系出身の多いマスコミは総じて科学技術について見識が乏しく、視聴率を稼ごうとして情感に訴える番組作りをし、視聴者をミスリードする。かつてのN放送局によるスタッフ細胞や善玉/悪玉コレステロール報道がその典型例だ。

筆者がAIエンジンのビジネスを始めた理由の一つは、2010年ころの日本の人工知能学会の活動を調べ、それがかなり低調であり、研究成果がハンガリー社に比べて世界の最先端でもなかったので、日本のAI技術と差別化できると判断したからだ。だが、その後“AI”は急速に流行語化してマスコミでもネットでも騒がれるに至っている。展示会でAI製品を紹介している企業のブースで説明員に質問すると統計処理に毛の生えた様な製品をAIだと称していたりする。どうも日本では第五世代コンピュータの熱狂と挫折の後地道なAI研究から目を逸らし、IBMがdeep learningでbreak throughして以来急速にAIに注目し出したようだ。

だが、高度の数学とITの技術を要するAIなどの技術者は一朝一夕には育たない。数学とITの適正と素養のある若い技術者が世界のAIの学会での論文を読んで消化し、対象とする適用領域にAIエンジンを導入して先に述べた方法でそのAIエンジンを育てて使えるものにするのに10年はかかるだろう。海外のAI有力企業や研究所と提携したり買収すれば10年賀5年になるかも知れない。日本はこういう技術者の層を厚くして米国や中国に伊してゆくことに成功するだろうか?

懸念は、AIを振興しようとする日本の指導者層がAIの表層だけでなくその構造を理解した上で振興の具体策を策定し実施できるかだ。1982年に始まった第5世代コンピュータプロジェクトは人工知能マシンを作ろうという意欲的なプロジェクトがったがさしたる成果も出さずに終了した。筆者も当時その熱気に影響されてLISPを勉強したものだった。これは技術の現実を知らない霞が関の誰かが夢を見て突っ走りマスコミが盛んに吹聴しただけだったから失敗は当然だった。この失敗を繰り返してはならない。何故なら、AIこそ日本の核となるべき情報産業の中でも最も国力の源泉となる技術だと思うからだ。

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グローバリズムの落日

トランプ政権を成立させているもの

2018年4月13日の日経新聞朝刊に「『トランプ慣れ』に悩む世界《と題して日経新聞コメンテーター氏のOpinionが載っていた。内容はNYタイムズの様な米国の反トランプ派のコメンテーターが繰り返しているものと大同小異で、コメンテーター氏の立場が分かる。それは米国主導で進めてきた世界自由貿易体制擁護で、具体的にはトランプ氏の人格に関するスキャンダル避難を中心にしたもので、日本のモリカケ報道と大差ない。彼は、米国のもう1つの潮流を無視しているか無知なのだ。

米国は太平洋戦争で日本に勝利し、そのリベラリズム勢力は日本を占領していくつもの社会主義的改革を行った。彼らは日本を民主的な国に改造し、日本は米国にとって忠実な民主的な産業国家に育った。それは米国にとって大成功だった。米軍は朝鮮半島に軍を進め、そこに傀儡政権を擁立し、日本に投資させ、韓国を日本の様に育てたと思った。この認識は米国がベトナムに侵攻し、イラクに派兵するまで続いた。ブッシュ(子)大統領はバグダッド侵攻が一段落した後航空母艦上で勝利演説をし、そこで、「イラクも日本の様になるだろう。兵士たちの努力は報われる。《と宣言した。ところが、米国はベトナム戦争に敗れ、中東での泥沼に嵌ってゆくうちに少しづつ自分の誤解に気付きだした。米国民はこれまでの世界戦略とそれを推進して来た《リベラリズム間違いだったことに気が付いたのだ。民主主義も近代産業も太平洋戦争前から日本にあったものであって、この成功は成熟した日本民族が自らの力で達成したものであり、7年間の占領政策の成果と言えるものではなかったことに気付いたのだった。

朝鮮半島、インドシナ半島、フィリピン、イラクなどの中東諸国など、米国が日本の様になると期待して投資した国々は皆反米になり、近代産業国家にはならなかった。特に中国に対して米国は資本と技術と教育を提供し、彼らが豊かになり貿易により相互依存関係が深まれば日本との様な蜜月関係が構築できると期待していたのだが、中国は米国を凌駕しようと米国を威嚇し始めた。この過程で米国内の産業は米国の投資先に移動し、米国民は失業し、貧乏になり、麻薬がはびこり、国民は荒廃した。だから米国民はトランプを大統領に選んだのだが、それはリベラリスト達にとって過去の政策の敗北を意味するものだ。

欧米の文明は先ず理想としての価値体系を掲げ、それに現実を引き揚げようとする。だから、理想と現実の間には常に乖離と齟齬と混乱が付きまとう。共産主義も社会主義もEUもそうだし、米国の「自由と民主主義《も理想の体系だ。米国はその理想に従って移民を世界中から受け入れて来たが、その弊害に耐えられなくなって来た。中国、朝鮮、アラブ諸国は皆敵対している。黒人や中国人、朝鮮人との国内の人種対立は解決できそうもない。対する日本はどうか?国民の社会道徳は高いレベルで均一化し、極めて安全な社会を実現している。子供達や女性や老人たちは平和な環境で安心して暮らしている。移民をほとんど認めなかったからだ。この日本の成果を米国は評価し、ある意味「日本の様になろう《としていると言って良い。

この米国の変化は日経新聞のコメンテーターのような日本のリベラリスト達にとって脅威だろう。自分の主張のお手本となる、米国が世界に推進して来たグローバリズムのパラダイムの先に何があるのか見えなくなっているからだ。

では、世界は、そして日本はどの様なパラダイムを想定したら良いのだろうか?

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2017年を展望する

日本は危機だがその先は明るい

2017年を展望してみたい。

20016年、ITの世界では予想外ではないが、IoTとAIの導入がますます進んだ。どちらもビッグデータが共通語だ。残念ながらKenConsultingはAIエンジンビジネスからは一昨年に手を引き、IoTのセンサーネットワークビジネスからは2008年のリーマンショックで撤退した。どちらも収益をあげるまでにビジネスを育てたのだが継続できなかったのは残念だ。が、代りを仕込んでいる。

政治経済では予想外と言われる事件がいくつか起こった。欧州ではBrExit、米国ではトランプ大統領の当選、日本では駐韓大使の一時帰国だ。

BrExitは英国がEUに見切りを付けたのが原因だ。旧英連邦を持ち米国という友邦を持つ英国の国民が、独仏を中心とする大陸国家に主権を渡しその結果中東、アフリカ、アジアからの移民を受け入れざるを得なくなり、国内が荒れてゆくのにこれ以上耐える必要があるのかと考えたのだ。かっての半植民地の中国からの投資を有り難がるという立場も気に食わない。大陸のEU諸国は中東、アフリカからの大量移民を受け入れすぎて国柄がすっかり変わってしまった。もはや洗練されたキリスト教圏ではない。こうなってしまった根本の原因はロスチャイルドらによる「人類みな兄弟」的な、共産主義と通底する世界政府構想(New World Order) がある。かれらはEUで欧州政府を実現しようとしたが英国に逃げられ、“自国First”主義の政党が伸長している。あと数年でEUは実勢を失い各国は勢力が分裂し機動力をますます失うだろう。欧州の衰退が現実となる。

トランプの大統領当選は、数十年前から言われて来た、没落した中間層の不満をうまく取り込んだ政治グループがあって実現した。マスコミはヒラリーを応援しトランプを叩きに叩いたが効果が無かった。これで、中国を育て中東や北アフリカの政治体制を混迷に追い込んだ民主党政権((New World Order)とマスコミがズブズブの関係だったことが明らかになった。彼らも、「人類みな兄弟」的な、共産主義と通底する世界政府構想の信奉者で、ロックフェラー達がパトロンだ。

トランプの当選は、この世界政府構想を彼らが否定し始めたことを意味する。その震源は日本だと言ったら読者は驚かないか?なぜかというと、自由と民主主義を世界布教したい第2次大戦前の米国にとって一番の敵が極東にある日本だったので、彼らは日本を全力で叩き潰し、平和憲法を押し付けて近代民主主義と資本主義と平和主義の国家として育成しようとした。そしたらそれが大成功したので、米国人はこの成功モデルを世界の他の地域にも適用しようという世界変革構想を持ってしまった。日本人にとってみれば、白人社会の圧力に対抗して自国と東洋の独立を守る為の国家体制にしただけで、民主主義も資本主義も米国に押し付けられなくても以前からあったのだから、日本の急速な復興は当然だったのだ。しかし米国はこれが自国の成果だと思い込み、これをベトナム、中国、韓国、中東、北アフリカに適用しようとし、戦争を起こし、多くの将兵を死に追いやり、ことごとく失敗した。この膨大な失敗体験を通して米国はようやく、日本での成功に見えたものが実は日本人によるものであって、他国では起こり得ないものだったことを悟ったのだ。この反省組がトランプ派だ。

こういう訳で、欧米ともにNew World Orderから「自国first」に世界の潮流が変った。これは日本が「自国first」の政策を取りやすくなることでもある。

米国大統領ニクソンは約半世紀前の1972年に中国を訪問し、日本の成功モデルを中国に適用すべく中国との国交を開き、技術と資金を与えて中国を資本主義の仲間として育てようとした。対する中国は韜光(とうこう)養(よう)晦(かい)をモットーにひたすら従順な弟分を演じてきたが、習近平の代になって唐や明の代の覇権を取り戻す軍事活動が顕著になった。皇帝と奴隷国民で国家を構成するという数千年つづいた国家モデルは簡単には崩れないのだ。中国国内の資本主義システムも壊滅した。元を買い支えるために米国国債を売り払い続け、中国は既にドルが枯渇している。ここにきて米国の反省組は中国を今の内に叩いておかねばと思い、そのために日本の資源を活用しようとしている。

韓国の慰安婦騒動や朴槿恵の弾劾等は北朝鮮+中国系の工作員の成果であり、日本は米国と連携して駐韓大使を一時帰国させた。これは米国との連携プレーだ。

かかる状況を踏まえて、2017年はどうなるかを予測した;

1. 米中戦争の体制が整い、米中間の小競り合いが発生するだろう。

2. 米国は日本の憲法9条変更を容認し、日本の国防予算は2倍になるだろう。

3. 韓国のキューバ化が進む。(キューバ危機後の米国のキューバ対策を参考)

4. 国連と中国と韓国の無力化が進む。

日本の立ち位置は第一次大戦後に近いものになる。社会基盤を提供する産業を使って世界各国と共栄圏を創る環境が整う。

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